ジークフリート(バイロイト音楽祭) [バイロイト音楽祭2014]
私のバイロイト滞在も後半戦に差し掛かってまいりました。
心置きなく楽しみたいと思います。
午前中は市内を散策。市内中央墓地にあるワーグナー家のお墓を墓参。
愛知祝祭管弦楽団の佐藤さんに「ワーグナー家のお墓参りは必須!」
と言われましたので行ってまいりました。近くにリストのお墓もあります。
本日はメルケル首相がご来場です。メルケル首相見たさにご覧の人だかり。
ただ、プライベートな訪問と言うことで、観衆から拍手が沸き起こるでもなく、
バルコニーから挨拶するでもなく、言われなければ気が付かないほどのさりげなさでした。
ところで、バイロイト音楽祭のリングツィクルスは4公演で1枚の切符になっています。
つまり、4公演全部座席の位置は同じと言うことで、ジークフリートあたりになると、
自然と近くの座席の人とお友達になってまいります。
私も前の列に座っていたMichaelさん、Anneさんのお二方とお友達になりました。
Michaelさんは15年間バイロイトに通いづつけているのだそうで、
「どうやってチケットを取っているの?」と尋ねたら
「それは秘密さ」とのことでした。
さて、ジークフリートですが、舞台一面のラシュモア山がとてつもないインパクトです。
歴代大統領の顔は、マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東に置き換えられています。
また、お馴染みとなった舞台盆の裏には旧東ベルリンのアレクサンダー広場と思しき
セットが作られており、ショーウィンドーに飾られた洋服や、出てくる登場人物の衣装
などからおそらく壁が崩壊した後のベルリンなんだろうなと想像できます。
共産主義と資本主義、世界を二分した思想を裏表の関係で示しているように見えます。
ジークフリートがファーフナーをカラシニコフ銃で撃ち殺すという、英雄譚とは程遠い
場面が舞台上で繰り広げられていきます。このカラシニコフ銃は本物でとてつもない音
がするため、劇場には「音量注意!」の注意書きが張り出されていました。
カラシニコフ銃に対する注意書き。
凄い音量だから気を付けてねと書かれています。
そして昨年も話題になったクロコダイルが第2幕の最期に登場します。私の隣に
座っていたドイツ人は「Oh My God!」と顔を伏せてしまい大ブーイングでした。
さらにクロコダイルは昨年より数が増えた(子供ができたらしい)とのことで、
来年はもっと数が増えるのではと話題になっていました。
と、いろんなツッコミ要素満載のジークフリートですが、第2幕のアレクサンダー広場で
ジークフリートと森の小鳥が心を通わせる場面がとりわけ印象的でした。
ジークフリートはゴミ箱を漁っているし、森の小鳥は紅白歌合戦の小林幸子みたいな衣装
を着ているしで、一見するとシュールこの上ないのですが、何とも言えない寂寥感が漂っ
てきます。果たしてこの感覚は何でしょうね・・・?
小林幸子!笑
その連想は思い浮かばなかったけれど、言われてみればそうですね!
まさしくシュール。
小鳥とジークフリートの場面は、私も一番印象に残った場面です。
あの寂寥感がいいですよね。
アレクサンダー広場の殺伐とした感じと、あの二人の触れ合い。
ワニの数が増えてたら楽しいですね。何だか夢があります。笑
by オーレンカ (2014-08-27 00:12)
ずーっと「幸子幸子・・・」と思いながら見ていました。別に小林幸子のファンと言うわけではないのですが・・・(苦笑)
by Bassドラ (2014-08-27 21:00)