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神々の黄昏(バイロイト音楽祭) [バイロイト音楽祭2014]

今日も演出解説会へ出かけます。
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カストロフの演出に対する関心は非常に高く、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
更に、会場からは盛んに質問や、拍手などの反応が巻き起こり、活況を呈していました。

この解説会、会場が合唱練習室では手狭になったため、この後はバイロイト歌劇場の
客席で行われることとなりました。

リングも「神々の黄昏」まで到達するととても寂しい気分になってきます。
お友達になったAnneさんは、
「Die Zeit passiert sehr schnell, besonders in Bayreut.
(時間が過ぎるのは速いわね。特にここバイロイトでは)」
と寂しそう。私も思わず神妙な面持ちになります。

舞台は一昔前の東ベルリンとニューヨーク証券取引所。この2つが、やはり舞台盆の
上で裏表になっています。
さらにこの2者の隙間を縫うようにして、階段が作られており、後ほど乳母車が落ちる
所でエイゼンシュタイン「戦艦ポチョムキン」のパロディーだと分かります。

ただし、この階段、装置としては小粒ですが、ピリリと山椒のような味わいを舞台に
加えてくれます。「神々の黄昏」の終盤で、いよいよ全てが終わり世界が浄化される
段になって、この階段での演技に色々なものが集約されて示されます。

何か事態が呑み込めていないグートルーネ、
階段の中ほどで息絶えているグンター、
悠々と煙草をくゆらせているハーゲン、
そして、階段の上から静かに降りてくるブリュンヒルデ、

何とも言えずゾクゾクっとくるものがありました。証券取引所のシーンよりもこの階段
シーンが黄昏のすべてではないかと感じました。

と、演出のことばかり書いてきたので、音楽のことも少し。
ジークフリートのライアンは声に癖があっていまいちな感じがしました。
ブリュンヒルデのフォスターはとても健闘していたと思います。
そして、何といっても、ペトレンコの舞台捌きは素晴らしかったです。

終演後は、演出家に対しては強烈なブーイングが浴びせられました。
演出チームがずーっと舞台でカーテンコールを受け続け、さらにガッツポーズなど
で聴衆を挑発するので、いよいよブーイングは大きくなり、
20分近くカーテンコールが続きました。

ただ、少なからずブラボーをかける人もいて、私もその一人でした。

立ち去り難い思いを残しながら、バイロイトを後にします。


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